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イラストレーター福士悦子のブログ"little shop"blog リスなどの動物・ぬいぐるみ・キャラクター・雑貨

イラストレーター福士悦子のイラストや雑貨を紹介するブログです。動物やキャラクターのイラストのほか、"little shop"として、シマリスを中心とした動物のぬいぐるみや雑貨を個展やイベントにて発表しています。集めているリス・グッズや趣味のアートイベント・展覧会巡りなど日常のことなども。HP: http://little-shop.net

【プロジェクト】リスのソフビを作ろう!?(3)初めてのソフビが出来るまで

 リスのソフビを作ろう!?(1)(2)のブログの続き、初心者なりの感想や説明です。

フィギュア作家・キャラクターデザイナーTOUMAさんの率いるチーム、
TOUMA Trooper Creative Order で参加予定のイベント、
台湾のトイフェス『TTF2017』TAIPEI TOY FESTIVALで需要があるのはソフビのフィギュア。
ソフビを作りたいと、数社に見積もり依頼するも、小ロットや混雑を理由に断られたり、
予算オーバーだったりで、条件に合うメーカーさんに出会えず、数ヶ月が経過。
結局、既にソフビを作っているクリエイターさん達に、メーカーを紹介してもらいました。

原型は、予算や時間の都合と、リス好きさん向けというコンセプトもあり、自分で制作。

実際に作ってみて思ったのは、プロの原型師さんはすごいなあ、という事です。
ものすごく時間がかかった割には、なかなか思ったようには仕上がらず、大変でした。

スーパースカルピーという造形用の粘土で作りました。
この粘土は、適度な固さなのと、オーブンで焼いて固める事が出来るので、
非常に使いやすいです。
IMG_2642.jpg

まずは、ざっくり作って。
IMG_2646.jpg
いったん焼いて固めたところです。
まだ完成には遠いので、鉛筆で描いて形を確認。

IMG_2643.jpg

ある程度形を作って、焼いて固めた粘土を、
リューターという工具で削っていきます。
0IMG_2948.jpg

こちらが、リューターです。

0IMG_2949.jpg
削りすぎ?と思ったら、粘土を足せます。
削っては足してを何回か繰り返しました。

0IMG_2994.jpg

完成に近づいたところ。顔や手(前足)と足の部分が難しく、
粘土を削ったりつけたり、何度もやり直しました。
表面に余分な凹凸があると、型取りした時に影響してしまうので、
なるべくツルツルになるまで形を整えて磨きます。

0IMG_3133.jpg
上の写真から更に直し、サーフェイサーという塗料を、全体に吹き付けます。
サーフェイサーを塗る理由は、粘土だけの状態よりも、凹凸が見やすくなるからです。
凹凸を直して、また
サーフェイサーを塗って...を数回。

いつまで経っても、
綺麗な左右対称にならないとか、
細かい部分の形が直ってないような気もしつつ、
希望の納期から逆算した、原型を仕上げる締切が迫ってきます。


0IMG_3105.jpg
こんな感じで出来上がりました。

原型を工場さんに渡すとロウ型を作ってもらえます。
0IMG_8631.jpg
右がロウ型。ソフビの原料を流し込む口が付いています。
流し込んで固めて、型から抜いて作る関係で、
1パーツにするには形の制約があり、シッポ等の出っ張りの少ない形にしました。

ロウ型から金型を作る時に、1個だけ金型を作る方法と、複数個まとめて作る方法があり、
ソフビを複数個、一度に作れる型ににすると、1個あたりの値段が下がる、
という事をソフビの作家さんから教えていただいたのですが(ありがとうございました!)、
今回は制作個数と、見積もりを検討した結果、型は1個だけ作りました。
指人形はパーツが可動する人形に比べると小さめなので、
ソフビ専門のメーカーさんや人気キャラだったら、型を複数個作るのは常識なようですが、
シマリスのソフビがどの位売れるのか、全く予想出来ないため、予算を抑える方向で。

0IMG_3845.jpg
そして、テストショットという最初のソフビが!

ソフビの先輩、照紗さんと、ひかりバンビさんと一緒に工場にお邪魔したので、
お二人のキャラクター、イヌハリゴン、くまのくまくまと記念撮影。

お二人は、
『TTF2017』に参加されるのと(ひかりバンビさんは同じチーム)、
9/9から西武渋谷店での永井豪キャラクターとのコラボレーション
DYNAMIC 豪!50!GO! in SHIBUYA -GO NAGAI 50th ANNIVERSARY-」等、
国内外の様々なイベントやお仕事で大活躍中です。
詳しくは、リンク先をご覧下さいませ。

(続きます。)

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  1. 2017/09/08(金) 11:27:00|
  2. 【プロジェクト】リスのソフビを作ろう!?
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【プロジェクト】リスのソフビを作ろう!?(2)

間が空いてしまいましたが、リスのソフビを作ろう!?(1)のブログの続きです。
"little shop"は、元々メーカーで雑貨のデザインをしていて、
今は個人で雑貨を作ったり、メーカーから雑貨デザインの仕事等を請けていますが、
ソフビに関してはまったくの初心者で、少しずつ勉強しながら取り組んでいます。
説明や数字など、不十分な部分があるかも知れませんが、覚え書きとして、また、
同じようにソフビ初心者や興味をお持ちの方に、少しでも参考になればと思います。

C_o_3-1V0AA7npF.jpeg 
チームで参加予定の台湾のトイフェス『TTF2017』で需要があるのはソフビのフィギュア。
昨年は手作りのレジンフィギュアだったけれど、今年こそはソフビで!
見積もりをとろうとして、そこからが大変...というお話ですが、何か大変だったかというと。

グッズ作りがポストカード等の印刷物で、
サイズや素材、印刷色の数などが分かりやすい物ならば、
制作に必要な費用が、メーカーのサイトに載っている事がほとんどです。

平面的なプリント物でも、Tシャツ等のシルクスクリーン印刷だと、
版の大きさによっても版自体の値段や印刷代が異なるため、
メール等で見積もりをとる場合が多くなります。

立体物の場合だと、元になる原型の値段、複製する為の型の値段、
吹き付けて着色をする為に、色が付かない部分を覆うマスクも必要になったり、
もちろん、着色自体の作業費もかかったり。
工程が多く、工程ごとの費用も、作りたい物によってまちまちな為、
単純な見積もりではなくなります。

更に、ポストカード等の場合は、100枚なら幾ら、1000枚なら幾ら等、
実際に作れる数量と、数量ごとの価格の違いも、
サイトに載っていたり、分かりやすくなっていますが、
立体の場合は、物によりケースバイケースなのと、
メーカーや工場によっても、最低ロット(実際に作れる一番少ない数)も異なります。

ソフビを作る場合の工程をざっくり言うと、
原型(粘土等)→ロウ型(原型をロウで複製したもの)→金型(ロウ型から金属の型をつくる)
→金型にソフビの材料を流し込んで成形→マスク制作→着色という感じで、
工場や工房がないと、全工程を自宅で作る事は出来ません。

頭と胴体が別だったり、手足が動く人形のようなソフビだと、パーツが分かれている分、
パーツごとに費用がかかります。細かく言うと、組み立てる費用もかかりますし。

それで、なるべく安く作れるよう、パーツがひとつの指人形型ソフビにしようと思いました。

見積もりをとろうと、沢山のサイトを見ましたが、まず、最低ロットが個人向けではなく、
メーカーの商品やキャンペーン品向けに感じるサイトが多かったです。
具体的には、何千個、何万個という数字で。
個人で作るなら、多くても数百個単位、しかもなるべく少ない方が良い、と思うと、
その位の数で作れそうなメーカー自体が少なめでした。

最低ロットが少なそうなメーカー数社に見積もり依頼のメールを送ってみたのですが、
現在、新規取引先からの依頼は受け付けていないというメーカーも。

他のメーカーも、見積もりをもらうまで、数週間から1ヶ月くらいかかりました。
ソフビを国内で作っているメーカーは限られている為、繁忙期は混み合っていたり、
見積もりも、各工程ごとに確認するので、時間がかかるようです。
ようやく来た見積もりは、トータルで軽く100万円以上がほとんどでした。

たしかに、パーツが何個かあるソフビだと、その位費用がかる事が多いと聞いていたのですが、
費用を抑えるために、指人形にしたのに、なぜ!?と思いました。

細かく見ていくと、原型代だけで数十万かかっていたり、
その他の工程も思ったよりも高額だったのですが、
メーカー側が外注に出している工程は、比較的割高になるようです。

例えば、最低ロットがサイトだと300個〜と載っていたとしても、
小さめのソフビなので、500個からになる、
作る数が多いと、金型も同じ物を数個作り、その分の費用がかかる、等の理由も。

また、図面だけで見積もり依頼しているので、最大限に費用がかかってしまう事も、
想定している可能性もあったり、様々な原因が考えられるようです。

既にソフビを作っているクリエイターさん達に、そういった状況を相談したところ、
小ロットでも対応していただけるメーカーさんを紹介してもらえました。
更に、初期費用をおさえるために、原型は自分で制作する事に。

キャラクターの細部がしっかり決まっていて、それを再現するという事であれば、
原型制作を専門としている、プロの原型師に依頼した方が正確に作ってもらえます。
今回作りたいのは「りす好きさん向けのシマリスフィギュア」なので、
それならば、フィギュアマニアがメイン客層ではないので、価格を抑えめにする必要もあるし、
内容的に、りす好きの自分が作るのもアリかもと思ったのでした。
DBAUl-nVYAA84HL.jpeg 

見積もりをとっている途中の段階では、100万円以上かかるのであれば、
クラウドファンディングしかないかも、と考えていましたが。
指人形で原型を自分で作り、小ロットならば、そこまではかからないようで、
今のところ、クラウドファンディングではなく、先行販売等の予定となりました。

パーツが分かれているソフビは、個人で作るには高くなってしまいますが、
自分のキャラクターで初めてのソフビを作ろうとしている、お友達のクリエイターさんがいます。

せり☆のりか さん
「オリジナルキャラ『怪獣アイシー』のソフビで世界のイベントに参加させてください!」


ソフビに興味がある方、頑張っているクリエイターさんを応援したい人は、
ぜひご覧くださいね。
DA_RLmUUQAANOgS.jpeg 
写真はラフスケッチと制作途中の原型です。
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8月に都内でイベント参加が決まりました。詳細は改めてお知らせいたします。
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たのしいよりみち にじいろ市 次回は9月3日(日) 11:00~16:00
(雨天決行:屋根つきの会場なので、雨でも傘をささずに楽しんでいただけます)
・場所: 「Gallery&Cafe FIND」外ガレージ
・住所: 東京都北区上十条2-9-1 (埼京線 十条駅から徒歩5分)
オフィシャルサイトはこちら、地図はこちらです。
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オホーツク シマリス公園 売店にてリスグッズ取り扱い中。
〒 099-2421 北海道網走市呼人352 0152-48-2427
定休日 なし(但し、10月11日~4月30日は冬眠期間のためクローズ) 無料駐車場有 
アクセス 網走駅から車で約10分。女満別空港から約10分。 料金等 3歳以上400円

営業時間 10:00~16:00(最終受付 15:30)  
*リス園のオフィシャルサイトは無いので、こちらをご覧くださいませ。

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webショップBASEにて、リス柄スマホケースの販売を試験的に始めました。

こちらのページです。柄や対応機種等、徐々に増やしていく予定です。

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監修した書籍『ラブ♡ほお袋』辰巳出版 より好評発売中です♪ 

価格(税込):¥1,404 単行本(ソフトカバー): 88ページ 
ネット上の販売ページ  Amazon 楽天 e-hon HMV
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台湾のオンデマンドアパレルメーカー「Fandora」でのTシャツ販売開始。 
日本にも発送可能、"little shop"の頁はこちら、日本語での購入方法説明はこちら
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「1日1絵」、リスのイラストをほぼ毎日更新中。Twitterでは、@fukushi_risu でご覧いただけます。 Instagram インスタグラムfukushi__risuで登録しています。
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リスのLINEスタンプ、発売。「ハッピーなリスくんとリスちゃんのスタンプ」 
詳しい情報は、こちらの日記に。 
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●ソーシャルマーケット Creema (クリーマ) に出品。 "little shop"のページは、こちら。 
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 ●手作り雑貨のSNS ハンズ・ギャラリーマーケット。 "little shop"のページは、こちらです。
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  1. 2017/07/18(火) 23:47:00|
  2. 【プロジェクト】リスのソフビを作ろう!?
  3. | トラックバック:0
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【プロジェクト】リスのソフビを作ろう!?(1)

リスのソフビを作りたいと考えています。

リスは、2003年に"little shop"という個人の雑貨ブランドを始めて以来のメインモチーフ。

ソフビ、というのはソフトビニール製の玩具、人形の事で、
コレクターに人気のあるアイテムです。

何故、ソフビを作ろうと思ったかといいますと。
フィギュア作家・キャラクターデザイナーTOUMAさんの率いるチーム、
TOUMA Trooper Creative Order の一員として、
TTF(台北トイ・フェスティバル)2016というイベントに参加させていただきました。

日本でいうと、ワンダーフェスティバル、スーパーフェスティバルのような、
玩具の展示即売イベントの台湾版、熱心なファンが開場前から並びます。
通常のアート系フェスティバルとは異なり、玩具中心のイベント、
世界中の沢山の作家やメーカーが出展します。
そこで一番売れるのは、ソフビのフィギュアだとは聞いていたのですが、
実際、参加して様子を見ていると、本当にその通りでした。
キャラクター物でもプリント雑貨やカード等を買う人は少数派で、
人気作家のソフビは飛ぶように売れていました。

2016年は"little shop"はぬいぐるみとレジン(樹脂)のフィギュアと雑貨で参加。
台湾の方に見ていただけて、台湾のリスファンと交流できた良さはありましたが、
やはり、イベントのメインはソフビなのだと実感するような結果に。
(レジンでも売れている作家さん、作品もあるかとは思いますが、
ソフビを買いに来る方が大多数なのは事実なようです。)
こちらは、レジンのフィギュアです。
自分で粘土原型を作り型取りをし、樹脂を流し込んで制作。
Cr6PivnVUAAdg10.jpeg 
粘土で作った状態。ベージュの粘土で作り、
サーフェイサーというスプレーを塗って、凹凸を確認したところ。

Cr9YE13UsAARgn.jpeg 
シリコンを流し込んで、型を作っている所。
小さなフィギュアなら、紙コップで型取りできると、
TOUMAさんに教えていただきました。

CsKO6HEUEAASznP.jpeg 
レジンで複製したところ。
レジンが固まってしまう前に、素早く複製しなければならないので、
途中の写真が撮れませんでした。

CsebktpUEAAfqNg.jpeg 
体のベージュとお腹の白を塗ったところ。

CtG-43SUEAAygGh.jpeg 
マスキングして、縞模様を塗ったり、耳や目も手作業で塗りました。

じゃあ、ソフビを作ればいい!となりますが、
簡単には作れないものだったりします。

まずは、レジンと異なり工場でないと作れないので、費用が相当かかります。
ソフビを作るには、原型からロウ型を取り、そこから量産用の金型を作り。
金型に素材を流し込み成形すればフィギュアになりますが、その後、塗装もあります。
マスクという塗装用の型紙のようなものにもコストがかかり、
塗装も手作業なので、費用がそれなりにかかります。
形状や作る数量、個数にもよるのですが、おおまかに言って、
成形から彩色までの作業一式で、安くても数10万〜100万以上?はかかるようです。

数量もある程度まとめて制作するので、
売れれば費用をペイ出来るという仕組みらしいですが、
初期費用を用意するのが大変ですよね…。

大好きなリスをソフビにする為、クラウドファウンディング?という事も検討、
何にしても、費用がはっきりしないと話が進まないのでは、と思いました。
今年の始め位からいろいろ調べていたのですが、
2月に自宅兼事務所の引越、イベント出展、仕事等もあり、しばし中断。
4月頭頃から再開して、業者さんを調べ、見積もりを取り始めました。
ネット検索すると、ソフビを作っている様々な業者さんがヒットし、
この中のどこかでは、作ってもらえるだろうと思いましたが、
そこからがなかなか大変でした。
(続きます。)
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台湾のオンデマンドアパレルメーカー「Fandora」でのTシャツ販売開始。 
日本にも発送可能、"little shop"の頁はこちら、日本語での購入方法説明はこちら
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「1日1絵」、リスのイラストをほぼ毎日更新中。Twitterでは、@fukushi_risu でご覧いただけます。 Instagram インスタグラムfukushi__risuで登録しています。
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リスのLINEスタンプ、発売。「ハッピーなリスくんとリスちゃんのスタンプ」 
詳しい情報は、こちらの日記に。 
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●ソーシャルマーケット Creema (クリーマ) に出品。 "little shop"のページは、こちら。 
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  1. 2017/05/16(火) 23:24:00|
  2. 【プロジェクト】リスのソフビを作ろう!?
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